凛として、軽やかに。

甘くない現実も軽やかに受けとめて、歳を重ねていきたい。と思いつつ、ジタバタ焦る日もあったり。そんな心模様も正直に綴っていきます。憧れの人は、漫画『大家さんと僕』に登場する大家さん。

映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』

クリムト作のあまりにも有名な絵画、『黄金のアデーレ』。

その美しい絵は、第二次世界大戦中にユダヤ人一家からナチスによって強奪され、戦後はオーストリアの美術館所蔵に。

 

この映画は、アデーレの姪がその絵を取り戻すまでを描く、実話に基づいたヒューマンドラマです。

 

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映画館で観たのですが、実話ということもあり、主人公であるマリア(ヘレン・ミレン)の心情に思いを馳せると胸がいっぱいになってしまい、上映後しばらくぼーっとしてしまいました。

 

戦時中に強奪されたものを本来の所有者が取り戻すということ。

当たり前に思えることを実現することが如何に困難なことなのか、この映画で思い知らされました。

そして、世界にはナチスに奪われた財産を取り戻せずにいる人たちが未だに多くいることを本作で初めて知りました。

 

本作は、法廷でのやり取りも見所の一つですが、一人の女性が筆舌に尽くしがたい辛い過去と向き合い、それを克服していく過程が一番の見所かと思います。

 

裕福で幸せだったユダヤ人一家の華やかで美しい日常と、戦中の陰惨な日々のコントラストがあまりにも強烈で。

 

そして、母国を愛する気持ちと、辛く哀しい過去を葬り去りたい気持ちの狭間で葛藤する主人公マリアの心情を思うと……

 

シリアスなストーリーではありますが、さじ加減が絶妙で、身構えることなくストーリーに入っていけました。

 

マリアの凛とした佇まいとユーモア、彼女を助ける青年弁護士との軽妙なやり取りのおかげで、重苦しい気持ちになることはなく、ラストには爽やかさを感じたほど。

 

不穏な空気の流れる今だからか、映画のメッセージが深く、深く心に響きました。

 

 

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