映画『セッション』
連休初日に観たのは、なんとも凄い映画『セッション』。
鑑賞後しばらく経っているのに、未だにドラムの音が耳から消えない。
余韻というより衝撃。
でも、ラストには不思議な心地よさもあって。
主人公は、名門音楽学校でドラムを学ぶ19歳の青年、アンドリュー。
見た目は地味な彼。けれども心には、歴史に名を残す演奏家になりたいという強い想いを秘めていて……
そんな彼に何かを感じ、自分の率いる学校一のバンドへスカウトしたのが鬼教師、フレッチャー。
暴力、暴言は当たり前。
生徒を極限まで追い詰めるフレッチャーは鬼教師というより、もはや鬼軍曹。
この二人を軸にストーリーは展開します。
アンドリューの力を試すかのように、彼を極限まで追い詰めるフレッチャー。
ストイックなアンドリューは、情熱という言葉が生ぬるく感じるほどの圧倒的な熱量でそれに応え……
次第に、二人の間には狂気を感じるほどの緊張感が走るようになります。
この辺りは、作風は全く違うものの『ブラックスワン』(ナタリーポートマン主演)を彷彿としました。
表現者が高みを目指し、極限まで、自分を痛めつけるかのように力を振り絞る様子。
観ていて少し息苦しくなるようなところも。
圧巻は、ラスト10分。
息つく間もないほどの展開に、釘づけに。
ラストまで観て、ようやく邦題がセッションになった理由がわかったような気がしました。
全編を通して、もの凄い吸引力を持った作品。
ドラムという楽器の持つ表現の豊かさと深さに開眼させられた作品でもありました。